「若者論」を疑え!

『「ニート」って言うな!』共著者による初の単著。

「若者論」を疑え! (宝島社新書 265)

「若者論」を疑え! (宝島社新書 265)

ただ、それを一般の人たち、不安に怯えている人に気づかせるには、やるべきことがあると思うんです。統計を持ち出したり、言説の論理的破綻をついて、「彼らの報道や言説は間違っているんですよ」という指摘が、下地固めとして必要だと思っているんですね。(中略)新聞やテレビでは、どうしても客観的な統計について説明するのは難しい。また、学術的な部分はもっと触れにくい。そこで、学術的や統計的なものを、かみ砕いて説明する作業が必要で、私はそういう役割だと自負しています。(P.25)

本の冒頭、前書の共著者との対談で自身のオリジナリティを問われ、上記のように答えた著者が自負どおりの仕事をした一冊。年長者はこれを読んで少しは自重し、若年者はこれを読んで説得力を備えればよいと思う。

第四章のタイトルになっている

  • 「前提」を疑うことから始める

というのは、最近気になっていることがまさに「???」な前提に立脚してるのでタイムリーだった。対象がなんであれ、「○○である」と言われている・思っていることについて、「○○なのか??」と考え直してみることは大事だな、と改めて気づかせてくれた一冊。

9月10日に新しい本を出されるようです。
おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154)

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