大盛りで得られる満腹(満足)感 - ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する
ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学 (幻冬舎新書)
- 作者: 島田紳助
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/05
- メディア: 新書
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素人であること、何も知らないことは、マイナスなんかじゃない。それは経験者が絶対に手にすることができない、強力な武器でもある。
経験がないからこそできることが、この世の中にはあるのだ。
僕はそう信じている。
P.113
広尾のお好み焼き屋『のろ』のエピソードの結びの言葉。この言葉だけ取り上げると、無知でもいい、どんどん挑戦しよう、というやや無責任な言葉にもなってしまうけど、実はその前段に、『やるなら死に物狂いでやれ』という話が語られてる*1。
全く畑違い、今まで見向きもしなかった分野に進もうとしてる自分にとって、最高の叱咤の言葉かもしれない。四の五の言わず、死ぬ気でやれ。そうすれば、知識や経験、常識を持たない素人でも、その無知すらも強力な武器にして、何かをなしえるんだ、ということ。
金が人生のすべてでは
ないが有れば便利
ないと不便です
便利のほうがいいなあ
相田みつを
本のタイトルにもなった一節*2も出てくる第4章の冒頭、自身のお金に関する感覚を表す的確な言葉、として筆者が引用したのが、この相田みつをのお金にまつわる詩。
便利か不便、どちらがいいか、と聞かれれば当然、便利なほうがいい。だから、便利さを得るためにお金を稼ごうとすることに対して、なんら負い目を感じることはない、という考え方は、お金=卑しいと考えがちな日本人にとって、もっと意識すべき考え方だと思う。同時に、『満足感の大小≠払う金額の大小*3』という発想も併せて提示されている。お金のあるなしと、日々の満足感は、必ずしもイコールじゃないよ、と。
要は、人それぞれ、『便利さや満足感を感じるために必要なお金は得よう』とする気持ちは卑しくないし、むしろそうするのが自然だよ。ただ、お金はあればいいってもんでもないんだよ、てことかな。同じような考え方で、はてなの近藤社長の発言に、
『お金はご飯みたいなもので、無かったら死ぬけど、食べられないほどあっても仕方がない』
近藤淳也
(2006年5月8日『カンブリア宮殿』 村上龍氏に「利益やお金といったものについてどう思われていますか?」と質問された際の、株式会社はてな代表取締役の近藤淳也の回答)
という言葉がある。これもお金のことを考えるうえで、とてもいい例えだと思う。個人的には、家庭を支える立場にあるものとして、『適度な満腹(満足)感』を家族みんなが感じられるだけの備えは常にしておこうと思った。
この本の巻末、締めの言葉として、筆者が経営するお寿司屋さんに掲げられている、筆者自身の言葉が引用されている。どれもすごくいい言葉なので、今後も時々眺めてみようと思う。
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